■ 検査の概要
「上部消化管内視鏡検査(胃カメラ検査)」とは、消化器系の疾患を診断するために行われる一般的な内視鏡検査で、治療計画のためにも非常に重要な検査法です。検査結果から、様々な病気や異常な組織の有無を確認することができ、病気の早期発見や予防に役立ちます。
また、カメラでの観察だけではなく直接異常のある部分の組織を採取して検査を行うことで(生検)、確実な診断にも繋がります。
当院では鎮静剤の有無の選択および、鎮静剤を使用しない局所麻酔のみの場合、経鼻か経口かのご選択もいただけます。
検査前に医師との相談のお時間を設けておりますので、その際にご希望をお伺いいたします。
検査を安全に行うためには、事前の準備が必要です。
検査時に胃を空っぽにする必要がありますので、前日夜9時以降の水以外の絶飲食および、検査前1時間は水も飲まない必要があります。
また、常用薬に関しても血をサラサラにするもの(抗血小板薬や抗凝固薬)など、止めていただく必要があるものがありますので、事前に共有ください。
■ 検査方法
胃カメラの検査は、一般的に以下の手順で行われます。
まずはベッドに横になっていただき、鎮静剤の使用や鼻や喉に局所麻酔を使用します。これにより、内視鏡を挿入する際の不快感を和らげます。
医師は内視鏡を鼻や口から挿入し、徐々に進めていきます。内視鏡には光源とカメラが備わっており、医師は映像をモニターで確認しながら進行します。
内視鏡が食道、胃、十二指腸などの内部に到達すると、医師は組織や病変を詳細に観察します。必要に応じて、NBI(狭帯域光観察)モードを用いたり、ポリープや潰瘍などの病変がある場合は生検も行われることがあります。
検査が終わると、内視鏡をゆっくりと取り出します。
胃カメラの検査は通常、5-10分程度かかります。
鎮静剤を使用した場合は、お薬がある程度抜けるまで30-60分程度横になって休んでいただきます。鎮静剤を使った当日の飲酒や運転はできませんのでご注意ください。
▼ 経鼻内視鏡検査について
細いチューブを鼻から挿入する方法で、口からの検査に比べて、嘔吐反射を引き起こす舌の根本に触れることがないため、個人差もありますが口からの検査よりも楽に感じる場合が多いです。
ただし、鼻腔が狭い等で経鼻挿入ができない場合もございます。その場合は口からの挿入に変更して検査を行います。
■ 検査が必要な場合と検査できない場合
胃カメラの検査が必要な場合や適さない場合があります。以下に一般的な事例をいくつかご紹介します。
▼ 検査が必要な場合
まず、年に1度の健康診断・人間ドックの際の胃部検査として行われることが多いです。胃壁の色や状態、腫瘍がある場合はその形や様子が細かいところまで観察できるため胃バリウム検査より精度が高く、日本でも一般的になりつつあります。
他に、消化器系の症状や問題がある場合、例えば持続的な胃痛、消化不良、吐血、黒い便などの症状がある場合には、胃カメラの検査が推奨されることがあります。これによって、症状の原因や病気の有無を確認することができます。
また、胃バリウム検査やピロリ菌検査などで異常が検出された場合には、胃カメラを行うことで異常の詳細な観察や組織の生検が可能となります。
胃がんや胃潰瘍などの疾患に家族歴や過去の病歴がある場合には、胃カメラの検査が勧められることがあります。早期の発見や予防措置を行うために重要です。
▼ 検査ができない場合
患者さんの身体状態が検査に耐えられない場合、例えば心臓疾患など抱えている場合、検査に伴うリスクが高まるため、胃カメラの検査は避けられることがあります。
妊娠中の場合も当院では検査はいたしかねます。
授乳中の場合、鎮静剤を使用して検査を行うためには、24時間の断乳が必要となります。
また、鎮静剤の使用については医師が最終判断をいたします。
受診者様の既往や年齢、喫煙歴などを総合的に判断しますので、もしリスクが大きい場合はご希望に添えないこともございます。
■ 検査でわかる病気
胃カメラの検査によって、以下のような病気や病態が発見できます。
- ・胃炎
- ・胃潰瘍/十二指腸潰瘍
- ・胃ポリープ
- ・胃がん
- ・胃粘膜下腫瘍
- ・逆流性食道炎
- ・食道カンジダ
- ・異所性胃粘膜
- ・食道がん
これらは胃カメラによって観察・確認される一般的な病気や病態の一部です。
胃カメラの検査結果だけでは完全な診断ができない場合もありますので、医師が検査結果を総合的に評価し、適切な診断や治療計画をいたします。
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