●ピロリ菌検査とは
ピロリ菌の正式名称はヘリコバクター・ピロリで、胃酸を中和しながら胃の壁に住み着く菌です。幼少時に井戸水や食べ物の口移しで感染するといわれています。感染により長期間をかけて胃炎、胃潰瘍、胃がんなどの原因となります。また、胃MALTリンパ腫や機能性胃腸症、特発性血小板減少性紫斑病の原因となることも分かっています。日本人の胃がんの原因の98%はピロリ菌といわれています。胃がんになる確率を減らすためには、早めの検査と早めの除菌治療が望ましいです。
●ピロリ菌検査の種類
ピロリ菌感染を調べる検査にはいくつかの種類があり、内視鏡を用いる検査としては、迅速ウレアーゼ試験、胃粘膜生検、培養検査の3種類があります。また、内視鏡を用いない検査としては、簡便な血清抗体検査や、最も精度が高いといわれる尿素呼気試験と便中抗原検査があります。それぞれの検査に利点や特徴がありますが、除菌治療をするためには上記の検査に加えて内視鏡で胃炎の確認が必要です。除菌後の治療効果判定には、尿素呼気試験が用いられます。